Revueの日記

Revueの日記

歌詞の解釈やライブレビューなど、好きな音楽の話を主に書いていきます。Mr.Childrenが中心になると思います。

エレカシスペシャルライブに行ってきました。

2018年3月18日(日)

エレファントカシマシ 30th ANNIVERSARY TOUR "THE FIGHTING MAN" SPECIAL ド・ド・ドーンと集結!!~夢の競演~」

17:00~21:00@さいたまスーパーアリーナ

       f:id:olsen-revue:20180318231023j:plain

400レベルから、遠目に見ておりました。

スピッツミスチルエレカシの順で、各1時間ずつ+アンコール。

立て続けに出てくるため、各バンドのキャラクターの違いがはっきりと見えて面白かったです。 

 
セットリストです。各楽曲の発表年を付記してみました。

スピッツ】1991年デビュー。

01. 春の歌 2005年

02. 恋する凡人 2010年

03. 8823 2000年

04. 初恋クレイジー 1996年

05. チェリー 1996年

06. 愛のことば 1995年

07. スターゲイザー 2004年

08. 浮雲男(エレカシカバー) 1989年

09. みなと 2016年

10. 涙がキラリ☆ 1995年

11. さわって・変わって 2001年

12. スパイダー 1994年

13. トンガリ'95 1995年

Mr.Children】1992年デビュー。
00. prologue 1997年
01. Everything (It's you) 1997年
02. HANABI 2008年
03. innocent world 1994年
04. 太陽ギラギラ (エレカシカバー) 1988年
05. and I love you 2005年
06. SE~here comes my love 2018年
07. himawari 2017年
08. やさしさ(エレカシカバー 冒頭のみ) 1988年
09. 名もなき詩 1996年
エレファントカシマシ】1988年デビュー。
01. RAINBOW 2015年
02. 奴隷天国 1993年
03. 悲しみの果て 1996年
04. 星の砂 1988年
05. 風に吹かれて 1997年
06. 笑顔の未来へ 2008年
07. 桜の花、舞い上がる道を 2008年
08. 風と共に 2017年
09. ガストロンジャー 1999年
10. 今宵の月のように 1997年
11. Easy Go 2018年
12. FLYER 2008年
アンコール
13. ファイティングマン w/スピッツMr.Children 1988年

各バンドが大きく名を上げた90年代中盤の選曲が目につきます。

以下、ミスチルファンの感想をつれづれ書いていきます。「格好良い」という言葉を連発しています。

 ▽バンドのスタンス

スピッツは、芯の通った演奏に包み込むような草野さんの声が溶けていく感じ。

エレカシは、宮本さんの歌唱がごりごりの演奏に全く負けず、むしろ突き抜けていく。

いずれも土台となるバンドの音が強い。質が高い。

一方のミスチルは、とにかく桜井さんの声が独特で、耳に刺さる。声と歌を伝えることに徹し、他の3人は引き立て役に回る。この差は明らかなだなあと。散々言われてきている彼らのスタイルですが、改めて独特なものを感じました。

 ▽盛り上げ方

「総合司会」を名乗りつつも、感情が溢れすぎて「このイベントの趣旨が分からない」などと、どっちらけになる宮本さん。歌が圧倒的なだけに、ギャップが強烈。

「早くスピッツと名乗らないと、分からない人もいるんじゃないかと」と低姿勢過ぎる草野さん。力まず、穏やか。

決して完全なホームではないのに、草野さんのような懸念は全く感じない様子でイヤモニを外してはサビを客に振りまくり、細かなMCも交えながら観客を引き込んでいく桜井さん。

SEの多用や、ステージを広く使ったパフォーマンスは、普段見慣れているため気にしていませんでしたが、エレカシスピッツと比べるとスタジアム慣れしたミスチルの個性なんだなと思いました。

 ▽太陽ギラギラ

昔からそうですが、自分たちの曲じゃなくなると楽器隊がぐいぐい前に出てくるのがミスチルの面白い所です。

エレカシのカバー曲「太陽ギラギラ」。

アレンジは、サイケでブルージーでどこかジャズっぽい。というと意味不明ですが、紫や緑の妖しげな照明演出含め、一言で言うとすごく「Qっぽかった」。ベースが曲全体を引っ張りつつ、サビで一気に爆発する感じはQの某未発表曲を連想。既発曲では蜃気楼が近いか。泥臭く、まとわりつくような歌唱はI Can Make itのようでもありました。

桜井さん流の照れ隠しなのか、エレカシのファンの方に向けて「トイレタイム」だと話していましたが、グルーヴィーなバンドと年相応の渋いボーカルの組み合わせで、今のミスチルの魅力が一番出ていた演奏だと思いました。桜井さんは「年明けからこの日をモチベーションに頑張ってきた」と話しており、相当練習したんだろうなと思います。演奏終わりには「エレカシ最高」と叫んでいました。

 

なお、ミスチルエレカシ愛のきっかけとなったエピソードもこの曲の前にMCで披露されました。

ミスチルは1988年にCBSソニーオーディションを受けるも落選。BOOMやすかんちが同じ最終選考に残っており、「地味」なことが落選理由だったそう。86年に同じオーディションを「もっと地味な」エレカシが通過したことを知っていた桜井さんは、勉強のつもりで彼らの明大学園祭ライブを見に行って魅了され、しばらく彼らの楽曲ばかり聞いていたそうです。「まだMr.Childrenになる前」だそうで、The Walls時代の話ですね。

▽原キー連発

演奏曲数が少なく体力的には普段より楽でしょうし、他のファンの方をがっかりさせない配慮もあったのか、どれも原曲キーでした。innocent worldは一部のサビは歌わせたものの、ほぼフルで歌い、HANABIも原キー。両方とも今後貴重になってくるのかもなあと思いました。正直ちょっとつらそうでした。

▽prologue

実は一番レア(ライブで使われるのは初?)。これも90年代への意識なのか。スピッツエレカシのファンの中にも、BORELO辺りまでは聞いてたという人は多いのでは、ということでしょうか。

▽and I love you~himawari

ホームじゃなくても今の自分たちの世界観は表現したい、というゾーン。どれもシングルでしたし、多少は気を遣っているのでしょうが。

and I love youのアレンジは未完ツアーとほぼ同じで、入りは田原さんのギターから。よく声が出ていました。最後は珍しくシャウト3連発。

そこからSE。WALTZや蜘蛛の糸が始まりそうな、なんとも言えない怪しい雰囲気でした。

初披露となるhere comes my loveはきっちりと原曲通りでした。太陽ギラギラの次に良かった。大サビ後のギターソロは桜井さんでした。

himawariは正直、弦があったらもっと良いのになあ、とも思ってしまいましたが、「邪に生きてる」→田原ギターソロ→「だから」の流れは何回聞いてもコテンパンにされます。

 

スピッツ

5年ほど前に一度見たことはあったのですが、やはり演奏・草野さんの歌の安定感が印象深いです。MC少なめでひたすら良曲を連発していました。

恋する凡人、ちょっと8823っぽい疾走感もあり、かわいらしさもあり、不思議な曲だと思いました。スターゲイザーが原曲よりややテンポ早めで、けれん味ある感じで格好良かったです。数々のシングル曲はもちろんですが、中でも三日月ロックは一番聴いていたので、さわって・変わってはテンション上がりました。8823で上がりすぎて演奏を放棄した田村さんに笑いました。

みなと。ちょっと音割れ気味で残念でしたが、透明感のある名曲だと改めて思いました。

エレカシ

だいたいのシングルは一応聞いた事があるがアルバムは全く持ってない、くらいのニワカです。生で見るのも初めてでした。

スピッツミスチルとは対照的にSE無しで入場。万雷の拍手、歓声に応えるようにぼそっと「どうも…」みたいなこと呟いてから、一気に歌い上げたRAINBOW→奴隷天国。それまでの空気を一変させる超攻撃的で格好良いパフォーマンスでした。

そのままの勢いで昔の曲がばーっと続き、宮本さんのMCへ。ミスチルはAAAで初めて生で見て、innocent worldで泣いたと。スピッツはロッキンジャパンで見て、1曲目だった涙がキラリ☆で泣いたと。今日もそれぞれ泣いたと。

契約が無い中で、技を盗むつもりでライバル達のアルバムを聞いたそうです。当時は若いバンドが出てきたと思ったけど、同じように年を重ねた今は近い年代に感じるようになった(との趣旨)の話もしていました。

その後もガストロンジャー→今宵の月のように等々、ニワカな私でも存分に楽しめる選曲でした。(エレカシファンの方からすると物足りなかったのかもしれませんが)

オレは右へ オマエは左へ

素晴らしい思い感じたら落ち合おう

最後の曲、FLYERの一節がしっかり自分の耳に飛び込んできて、とっても感動的でした。しかしまあ、宮本さんのパワー、表現力半端ないですね。力の調節具合というか。。

▽アンコール

ツアータイトルでもあるファイティングマンを3組で。見所が多すぎて、ひたすら楽しかったです。

演奏はエレカシスピッツ、歌は各ボーカル。ミスチルの楽器隊はダンス、タンバリン担当(!)

ボーカル組の真横で踊り狂うJENと、後ろの方で遠慮と笑顔が入り交じった様子のナカケー&田原さん。そう言えば、なぜ田原さんは本編で一人だけジャージみたいな格好だったのでしょうか。

曲が始まる前、ボーカルの3人が恐縮し合って互いに頭を下げてばかりの謎状況になっていたのも笑えました。同年代で長年意識し合いながらも、共演がほとんどなかった彼らの距離感が滲んでいました。

「歌が良かった」という言質を桜井さんから取ろうと詰め寄る宮本さん。「最高でした」とたたえながらも、宮本・桜井両氏のテンションに微妙に乗り切れない草野さん。それでも最後は3人肩を組んでの大団円でした。

 

とにかく、互いに対するリスペクトを強く感じた素敵なライブでした。何か思い出したら追記していきます。